タオルの歴史
タオルの語源
私たちが、日頃使っている「タオル」と言う言葉の語源は、スペイン語のトアーリャ(Toalla)かフランス語のティレール(Tirer)からきた言葉だといわれます。 もともと浴布といった意味ですが、現在は布面にパイルをもつテリー織りのことをタオルと呼んでいます。 また、確実な文献はありませんが、1811年フランスにおいてその原理が考案されたのが最初ではないかと伝えられており、エジプトでリネンテリーのような織物が、紀元前2000年頃の墳墓から発見されています。 その後、盛んな入浴の習慣があった古代ローマでも、バスタオルのようなものが使われていたとされています。
日本のタオルの歴史
日本にタオルが入ってきたのは明治5年と言われます。 大阪税関の諸輸入品目の中に「浴巾手拭2打、7円60銭」と記録が残っているのが公式に示すものとしては最初のようです。 当時、英国から輸入された綿タオルはその暖かさと柔らかい肌ざわりのためか首巻にも使用されていたようです。 その後、明治13年(1880年)頃、大阪の井上コマが手織り機で織りました。緯糸と一緒に細い竹篠を打込み、織り上がった後竹篠を引き抜いてパイルを織り出すという手法を考案したのです。 テリーモーションによる機械での製織方法は明治20年(1887年)中井茂右衛門により完成し、日本のタオル界に画期的な変革をもたらしました。
現在のタオル
昭和59年(1984年)頃からコンピュータ(画像処理システム、ダイレクトジャカード、電子ジャカード、エアジェット織機など)の導入により、生産額は急激に増大しました。 現在の織機台数約4,000台(能力換算)、従業員数約3,000人、年間出荷額約500億円で、全国生産の60%以上を占め、質量共に日本一を誇っています。 タオル美術館では美術館内見学コースにて実際の織機がタオルを織る様子もご覧いただけます。